
雑誌『ログイン』の第一期とでもいうか、小島文隆編集長のもとで創刊当時からのオリジナルメンバーが中心的に編集を行っていた1980年代のなかごろ、『ヤマログ』というふざけた投稿コーナーがあった。その成り立ちはまた別の機会に書きたいと思うけど(日本の3Dプリント界の人気者、河野またろーが壊れた件)、ヤマログは後半になると、ボク(金盥鉄五郎)と伊藤ガビンの2人で、できる限りいい加減に回すようになっていた。そのコーナーのマスコット的存在として「どんどんおーぼ」ってのがいた。「マスコット」なんて言うのは面はゆいが、なんとなくそうなってしまった。そいつが出現したいきさつをお話しする。
昼も夜も休日もなく、つねにがーっと原稿を書いて図版を付けて入稿する毎日だった。ときどき、原稿がちょいと短くて、ページに余白ができちゃうことがあった。イラストレーターやカメラマンに図版を依頼する時間はない。そんなときは持ち前の天才的な画力でもってなんか描いて突っ込んだ。あれは「みんな、どんどん応募してねー!」と告知を書いたときだった。最後にちょっぴり空白ができたので、ボクは「どんどんおーぼの想像図」ってのを描いて入稿した。

まったく同時期に、伊藤ガビンは「〜するべきである」で終わる文章を書いて、やっぱりちょっと余白ができて、そこに「べきであるある」という化け物を描いて突っ込んだ。以来、どんどんおーぼとべきであるあるは仲良しコンビとなったが、とくに2匹でコラボしてどーとか、そんなことはなかった。互いになんとなく懐いている様子が察せられる程度だ。なにせ知能は一部の政治家なみだから論理的思考が極端に劣っていて、表現力が乏しいので、何を聞いてもまともに答えられず、何を発言しているのかさっぱり読み取れないのだ。
あのとき突如として誕生したどんどんおーぼだけど、じつは年齢は5万歳であることが後に判明した。なぜわかったかと言えば、伊藤ガビンがそう言ったからだ。彼は「ぬ」と「あ」を混ぜると非常に便利だと、20世紀のうちに革命的な発明をするほどの特殊な才覚の持ち主なので間違いはない。

実際に検証してみたところ、本当に5万歳だった。なぜわかったかと言えば、伊藤ガビンがそう言ったからだ。彼は「箱根には箱根インデアンっていう謎の部族が住んでいて、大文字焼きで地球温暖化を加速させて海面上昇を招き、箱根で海の家を経営する」という、世界を震撼させる恐ろしい陰謀を暴露した人物なので間違いない。
やがて、どんどんおーぼの寿命は数億歳におよぶため、5万歳でもまだまだ赤ちゃんなのだという仮説が登場した。だからバカなのかと、しごく納得する説だ。なぜなら、赤ちゃんはバカだからだ。
この仮説を打ち立てたのは伊藤ガビンだ。彼は、箱根インデアンはなぜか正月にも餅をつかないことを発見して世間を驚かせた人物だ。それがハリウッドの西部劇に影響を与え、かの有名な「インデアンもちつかない」というフレーズが世界的に流行した。だから彼の洞察力には絶対的な信頼性がある。
そんなわけで、どんどんおーぼは今でも赤ちゃんのままでバカのままだ。
